殺意の証明              憧れ、その憧憬。隔たりと呼ぶべき冥き途は奈落へと続く。  客星の如きその煌きは朽ちゆくソラの贈り物。  大地と大空は巡る螺旋に呑まれゆく。    今は旧き煉獄の花束よ、その棘はなにを刺す?  理想を掲げながら届かぬと諦めるその手か、あるいは自らを戒める詛呪の鎖か。  輝ける矛盾の遺志は何を為す。連環の冠は無間の怨嗟をただ流すのか。  ああ、赤より朱い炎はその果ての契機を失ったまま旧獄に咲き誇る。      夢幻の誇りは今もなお燦然とその命を燃やし続ける。  たとえその身を"魔王"に焦がされようとも、肥大化した夢想はもはや消えない。  故に、不垢不浄。その御身は一切を黒く染め上げる虚像の魔神。  故に、不生不滅。その御身は誇り高き死穢の体現也。  故に、不増不減。その御身は何者にも奪えぬ至高の玉座にこそ在り。  万雷の喝采をここに。欲望の征く際限なき暴走をこそ我らが無量の肴とあらんと。      しかして不惑。幾多の死骸に塗れ、なおも不徳は留まりを知らず。  夢枕に立つ黒曜の深淵は世界を渡る為に依代を求る。      一切専心。その怨念は仇敵の亡骸を以て晴らすべし。