デ「ロリポップタンク砲、発射ァ!!」 爆発音とともに、総勢40機の戦車から発射された飴型巨大爆弾が化け物めがけて飛んでいく。 「…!?」 雨のように降り注ぐ爆弾に、化け物は退いた。 デ「相当硬いようだな…槍隊、進軍用意!!」 槍を持った兵士たちが、十列以上に並んだ。真上から見ると正方形だ。 デ「構えェ!!」 一斉に槍を構える。 デ「進軍開始ィ!!」 一斉に走り出した。 メタ「ここから奴のところまでは走っても十分かかりますが…」 デ「奴の行動を見ろ。今奴に備わっているのは不思議な力と聴力しかない。」 メタ「…それが?」 デ「十分ほど兵士を走らせればブレーキが効きにくくなる。また槍ならば接近戦と中距離戦を両立できる。奴が広範囲に及ぼす攻撃をしない限り勝てるだろう。」 メタ「なるほど。」 兵士たちが進む間にも集中砲火は止まらない。 化け物もこれには参るだろうか。 バンワド「…陛下!メタナイト様!!あれは!?」 化け物が突然何かを放散するように光りだした。 メタ「…これは!」 兵士もあと少しで到着するが… デ「槍隊、引けぇぇぇ!!」 その時、化け物を中心として巨大な爆発が起こった。 デデデの必死の号令も空しく、兵士たちは宙を舞う。 バン「あ……」 メタ「メタナイツ!!兵士たちを救出に向かえ!!」 メタナイツたちがヘビーロブスターに乗り込み全力で駆ける。 デ「…わしの戦略ミスだった……!」 デデデが手を地に着けた。 バン「大王様…」 メタ「陛下…!あれを…!」 デデデが顔を上げた そこには誰もが絶句するような光景があった。 嫌がる兵士を片手でつかむ化け物。 突然、兵士が動きを止めた。 そして…化け物が兵士の上にのしかかり…一瞬光って…起き上がった。 兵士の姿はなかった。 「「「!!!」」」 化け物が大きく息を吸い込むのが遠く離れた場所でもわかる。 「うおぉぉぉぉぉぉぉぅぉぉぉぉぉぉ!!!!」 咆哮した。一気に広範囲が焼け野原になった。 デ「もうがまんならん!!、バンダナ、アレを持ってこい!!」 メタ「あれとは何ですか!?」 デ「人間大砲だ…わしわし自身が行く。」 バン「ダメです!大王様!!」 デ「さっさと持って来い!!…メタナイト、指揮は任せたぞ…」 メタ「陛下!!」 デデデは大砲に乗り込み、バンワドは号泣しながらデデデを射出した。 放物線を描き、化け物に近づいた。 デ「うおおおお!!」 飛んだままの勢いで、ハンマーを振り下ろす。 化け物の頭に直撃し、化け物は吹っ飛んだ。 それからはもう獅子奮迅の勢いだった。メタナイツの援軍もあって、化け物は大きく体力を消耗した。しかし。 メタ「ハンマーをつかまれた!!」 バン「大王様!!手を放して!!」 しかし、デデデは手を放さなかった。いや、強烈な引力によって離せなかったのだ。 化け物と目が合う。 デデデはにやりと笑った。 化け物が電撃を突発的に発射してきた。 もちろんよけられるわけもなく、デデデは倒れた。 デデデの頭を化け物は掴んだ。そしてしばらくし、メタナイトたちの方へ向きを変えた。 「…これが言語…これが言葉…」 バル「喋った!?」 「今、こいつの言語を奪った…俺は喋れるようになった…」 メタ「何をする気だ?…」 化け物が突然跳び、一気に目の前にきた。 「視力が欲しい…名前が欲しい…まずは名前だ…自己を持つのだ…」 デデデの近衛隊の一人を掴み、投げた。 ???「いまこいつから名前を奪った…俺の名前はダージャンス…」 Diligence,それは勤勉という意味。将来息子がしっかり成長できるようにつけた名前だ。 実際ダージャンスは、よく働き、訓練もまじめにやった。デデデからも高評価を受けていた。 名前を奪われた兵士は、誇りを持っていた自分の名前を取り返すため、槍で突進するがはじかれ、火にあぶられ、命を落とした。 ダー「あとは視力…」 メタ「全員下がれ!!俺が行く!!」 バン「駄目です!あなたまでいなくなったらどうすればいいのですか!?」 メタ「遣るしかあるまい…!!」 メタナイトは剣を構えた。