幻想郷 炸燬の家 ひろき 「...もしもし?」 アナザーカービィ 『もしもし、こちらはアナザーカービィ。解析終了のお知らせさ。』 ひろき 「...どうだった?」 アナザーカービィ 『まず、文章については正直さっぱりだった。だけど、あの手紙には血液が付いてる事にが分かった。』 ひろき 「何⁉」 炸燬 「どうしたのひろき⁉」 ひろき 「い、いやなんでも...」 アナザーカービィ 『まあ、文章についてはそのくらいだ。解析した画像データと一緒に一応送っておく。』 ひろき 「分かった。用件はそれだけか?」 アナザーカービィ 『いや、後マクシームに伝言を頼まれてる。』 ひろき 「...内容は?」 アナザーカービィ 『''これより手紙の調査はこちらがすべて権限を持つ。手は出さなくていいからパートナーとの時間を大切にしろ''...だってさ。』 ひろき 「そうかそうかそれが建前か...で?本音は?」 さりげなくスピーカーフォンにする。 アナザーカービィ 『''さっさとくっつけこのバカップル!''...だってさ。』 炸燬 「''ふぇ⁉''」 ひろき 「なるほどね、あの脳筋はそんなことを伝言頼んだのか...マクシームに伝えておいてくれ。''『もう彼女って事でいいよこのバカ野郎』''...てな。」 アナザーカービィ 『はいはい、分かった。じゃあ、お幸せに〜』 ひろき 「あぁ。」 アナザーカービィ 『...とちょっと待った‼とりあえずスピーカーフォンは切って貰えるかな?』 ひろき 「?ああ。」 アナザーカービィ 『マクシームの奴が''あのガキ''が言う事も...なんて言ってたんだ。''あのガキ''の事、気にならないか?』 ひろき 「...分かった、もう切るぞ。」 炸燬 「''ちょ、ちょっとひろき‼今のはどういう...''」 ひろき 「どういうも何も言った通りの意味だが...嫌か?」 炸燬 「...嫌じゃないけど...」 ひろき 「じゃあ、デートでも行くか?」 炸燬 「だから唐突過ぎるんだってば‼」 ひろき 「...オレはさ、正直この感情にはだいぶ前から気づいてたんだ。」 炸燬 「ならなんで...」 ひろき 「''...怖かった。''今の仲間との関係が崩れるんじゃないかってずっと怖かったんだ。」 炸燬 「...ひろき...」 ひろき 「...でも、今なら分かる。こんな事なんかで崩れるほどヤワじゃないって。''だから決めたんだ。''」 炸燬 「そういう事だったんだ...」 ひろき 「...悪かったな。こんなに遅くなって。」 炸燬 「...もういいよ。早く行こう。」 ---- 人里 スキマ前 炸燬 「...ここから行くの?」 ひろき 「融合すりゃ通れるだろ。炸燬、カード貸してくれ。」 炸燬 「分かった、はいこれ。」 炸燬から炸燬が描かれたカードを手渡された。 ひろき 「よし、''お前の翼を貸してくれ‼''」 右手に持ったカードリーダーにさっきのカードを左手で入れる。 電子音声 「''フュージョン サキ''」 待機音声が鳴り始める。そして、右腰に付ける...! すると、炸燬の身体がひろきの身体に重なり...! ひろき 「...成功だな。一気に突入するぞ。」 炸燬 (えぇ⁉もうちょっと慎重にいった方が...) ひろき 「''行くぜェェェェ‼''」 炸燬 (''話聞きなさいよ‼'') ---- グリーングリーンズ ひろき 「...マクシームめ...柵でスキマを全面包囲しやがって...」 炸燬 (いたた...なんなのよ...) ひろき 「ランチャーぶっ放すだけじゃなくてご丁寧に柵まで付けるとは...」 炸燬 (全く...そろそろ融合解かない?これからもこの調子じゃ2倍痛いし...) ひろき 「...そうだな。」 カードケースを右腰から外し、融合を解除する。 炸燬 「これからどこに行くの?」 ひろき 「まぁ、とりあえずデデデ城にでも行くか?あそこやあそこの近くなら大体何でもあるだろ。」 ---- デデデ城 バンワド 「あ!こんにちはひろきさん!今日はどうしました?そちらの方は?妹さんですか?」 炸燬 「...多分私の方が年上だと思うんだけど...」 ひろき 「あー、彼女だ彼女の炸燬。オレにも春が来たんだよ。」 バンワド 「おお‼おめでとうございます‼デートですか?」 ひろき 「まあ、そんなとこだ。何か面白いものないか?」 バンワド 「そういえばさっきマクシームさんが多分大王様に会いに行ってその後地下へ向かいましたね...」 ひろき 「そっか...そいつは面白そうだな...炸燬、行ってみようぜ。」 炸燬 「うん...ってそこヤバイ場所じゃないの⁉多分マクシームその大王様って人にわざわざ許可取りにいったよね?そんな場所に無断で行くなんて...」 バンワド 「大丈夫大丈夫、どうせ大王様ならひろきさんは顔パスするから。」 炸燬 「''ひろき何者⁉''」 ひろき 「...世界の旅人だ。」 ---- デデデ城 地下 ひろき (...いた!マクシームだ!) 炸燬 (...どうする?) ひろき (...こっそりついて行くか。) マクシーム 「...?誰かいるのか?」 ひろき・炸燬 (マズイ‼) とっさに2人で曲がり角に隠れた。 マクシーム 「?き、気のせいか?」 マクシームはまた歩き始めた。 ひろき・炸燬 「...はぁ、危なかった。」 ---- マクシーム 「...ここか、古書保管所は。」 マクシームがドアを開ける。するといきなり視界が炎で覆われた。 マクシーム 「何ィ、襲撃を受けたか⁉」 ひろき・炸燬 「(だーれだ?)」 マクシーム 「そ、その声は、何してんだひろき...と炸燬?火事じゃねぇか‼」 ひろき 「その火、よく見てみろよ。」 マクシーム 「どう見ても火は火だろ!」 ひろき 「...それ、翼だぜ?」 マクシーム 「な、嘘だ...本当だ。」 マクシームはその炎に触ってやっと気づいた。 マクシーム 「...にしてもその姿はどうした?」 ひろき 「あぁ、これはサキフォームっていって炸燬と融合した姿だ。...今解除する。」 また右腰からカードケースを外し、融合を解除する。 炸燬 「はーい、久しぶり〜!」 マクシーム 「うおお⁉すげぇ、自分同士で融合とかロマン過ぎるだろ‼」 ひろき 「おお‼お前もそう思うか‼」 マクシーム 「おお同士よ‼」 炸燬 「...これが、男同士の友情って奴...?」 マクシーム 「...そういやアナザーカービィから聞いたぞ。お前らやっとカップル成立したってなぁ。」 ひろき 「...あぁ。もう悩むのは止めたんだ。」 マクシーム 「...そうか。それは良かった。」 炸燬 「ねぇ、マクシーム。今私達デートしてるんだけどどこか良い場所知らない。」 マクシーム 「...それを俺に聞くか...所詮俺は孤独の戦士だぞ?」 ひろき 「...それは違うな。」 マクシーム 「...何?」 ひろき 「それは違うと言ってんだ。お前は孤独なんかじゃない。」 マクシーム 「...お世辞は要らねぇぞ?」 ひろき 「お世辞なんかじゃねぇ。...お前には護りたいもの、人はいねぇのか?」 マクシーム 「‼お前、まさか...!」 ひろき 「いるなら、お前は独りじゃない。確かに孤独故の強さって奴もあるだろう。でもな、そんな強さでは何も出来ないし、何も護れない。」 マクシーム 「...何故言い切れる。」 ひろき 「...かつて、オレは誰も信じられなくなり独りで幻想郷を変えようと思った事がある。まあ、異変を起こそうとしてた訳だな。」 炸燬 「...!」 ひろき 「オレは禍霊夢達の力を使い、オレの目的の邪魔をするものを倒していった。...幸いな事に誰も殺して無かったがな。」 ひろき 「でもオレを止めようとしてくれた仲間がいた。...けどオレは仲間の声を聞かず立ち塞がる者全てを薙ぎ払った。...特に魔理沙は全力でぶつかって止めようとしてくれたのに、オレは引き金を引いてしまった。」 炸燬 「でも私の時には止まってくれたでしょ?」 ひろき 「...ああ、炸燬がオレがなんで戦っていたか、その意味を思い出させてくれたんだ。」 マクシーム 「...その意味ってなんだったんだ?」 ひろき 「...何もしてない人間、妖怪がただ人間だから、ただ妖怪だからって理由で殺し合うのが許せなかったんだ...」 マクシーム 「⁉なんで、そんな事になってんだよ...!」 ひろき 「...外部から侵略者みたいなのが来たせいだ。さっき言った禍霊夢のカードもその侵略者製だな。」 マクシーム 「...ふざけてるな、そいつら。」 ひろき 「でも、あいつらの中にも良い奴はいた。さっきの禍霊夢のカードとさらに鬼巫女のカードが組み合わさって自我が生まれたんだ。またオレにそっくりな奴でな。そいつは自身をアンドリーマーと名乗り、自分は英雄になると言ったんだ。...手段は間違ってしまったがな。」 マクシーム 「...そうか...」 ひろき 「あいつは力を力としか見ず、酷使する奴らを許せないと言っていた。あいつは元々は唯の力だった訳だから仲間を迫害されるのは許せかったはずだ。」 マクシーム 「...それでとった手段はなんだったんだ?」 ひろき 「オレがさっきの二枚のカードを吸収して弱ってる所を乗っ取ったんだ。その前にオレは自分の影に精神を移して脱出したがな。」 マクシーム 「なんでお前の身体を選んだんだ?」 ひろき 「あいつが言うにはオレが力を借りる際、さも本人がいるような扱い方をしていたかららしい。あいつにはオレが英雄に見えていたのかもな。全くオレは英雄なんかじゃないのに...」 マクシーム 「...その後はどうなった?」 ひろき 「特に霊夢の協力でなんとか身体を取り戻せた。あいつは自分だけの強さを見つけると言ってどこかへ去って行ったな。」 マクシーム 「...全て孤独の戦士の話か...」 ひろき 「...お前にはこうなって欲しくないし、二度とマクシームソウルにはなって欲しくない。手紙の件を自分だけでどうにかするのは勝手だが今のオレの言葉だけは...忘れないでくれ。」 マクシーム 「...分かった。ありがとう。」 炸燬 「...ねえ、デートは?」 ひろき 「っとデート中だったな。悪かったな、長話して。まあ、最初の場所はここでいいんじゃねえか?ここには国宝級のものが沢山あるっぽいし。」 炸燬 「ようは博物館ね...悪くはないか。」 マクシーム 「おい、お前ら...」 ひろき 「手伝うぜ。どんな文献だ?」 マクシーム 「...全く...」 ---- マクシーム 「これで文献はとりあえず全てかな。2人ともありがとう。」 ひろき 「あぁ。頑張れよ。」 マクシームは去っていった... 炸燬 「...次は何処へ行く?」 ひろき 「そうだな...」 ---- カービィ・ザ・おんやん 特別店 ひろき 「おんやーん、いるかー?」 おんやん 「はーい、予約ありがとう‼注文は?」 ひろき 「炸燬は何がいい?」 炸燬 「うーん...私は安いのでいいよ。」 おんやん 「何言ってんのさ、ここは全品無料のレストランだよ?高いとか安いとかの概念はないよ!何が食べたいか言ってくれればいいよ。」 ひろき 「そういう事だ。オレチョコモナカな。」 炸燬 「...チョコパフェって作れます...?」 おんやん 「大丈夫だよ、任せて!」 ---- おんやん 「お待たせ、できたよ‼」 ひろき 「よし、いただきまー...」 炸燬 「...あーんして。」 ひろき 「...え⁉おま、いきなりどうした⁉」 炸燬 「一応デートなんだからこういう事しないと。」 ひろき 「そ、そうか、そういうものか...あーん。」 炸燬 「はい。」 ひろき 「...美味いじゃないか...!」 炸燬 「...本当だ、甘くて美味しい...!」 おんやん 「紅魔県大図書館市パッチェ=産(サン)のパッフェなんだよ。美味しいでしょ‼」 ひろき 「よく分からんが本当に美味いな。...メニューに味は保証しないって書いてあるのが気になるが...」 おんやん 「ほ、保証しないだけで美味しいから‼大丈夫だから‼」 ひろき 「...まあいいや、炸燬これ一口食っていいぞ。」 チョコモナカを差し出す。 炸燬 「あーん...美味しいねこれも‼」 ひろき 「...死ぬ程恥ずかしいな...」 おんやん 「顔真っ赤だぞー。」 ひろき 「う、うるせぇよ‼そういうお前は憂姫とはどうなんだ?」 おんやん 「うーん...仲はいいんだけど、恋愛対象とかじゃないかな...今のところ。」 ひろき 「...一応お前らも融合した仲だろ。そんなもんなのか?」 おんやん 「...まあ、付き合うんだったら悪くないかな。」 ひろき 「そっか...ごちそうさま!次行こうぜ、次‼」 炸燬 「うん‼」 ---- カービィ・ザ・おんやん 特別店前 ひろき 「...''スターバイク‼''」 ワープホールが開き、大型エアライドマシン、スターバイクが勢い良く出てくる。 炸燬 「...これに乗って、欲望の洞窟って所に行くんだよね。」 ひろき 「あぁ。あそこは宝石やヒカリゴケが沢山あって綺麗だからな。個人的にも結構思い入れあるし。さあ、後ろに乗...」 炸燬 「...?どうしたの?」 ひろき 「...身長がそんなに変わらないのっていいなぁ...」 炸燬 「え?」 ひろき 「独り言だ。さっさと行こうぜ。」 炸燬 「...うん...?」 ---- 欲望の洞窟 ひろき 「...ここには人間しか入れないはずだけど、炸燬は大丈夫みたいだな。」 炸燬 「...そこら辺は意外と適当なんじゃない?」 ひろき 「かもな...」 ひろき (...ラストゴーストがいない?あいつ、ちょっと時間置いたらすぐ復活しそうなもんだが...) 炸燬 「''あ‼''ねぇねぇひろき、あそこにデカイハート型の宝石が浮いてる!」 ひろき 「...なんだよ、あれ...」 そこにはハート型というより、心臓にも見える妙な物体が浮いていた。  同一人物へ続く