%txtCalm,JP *ガチャッ!* *トコトコ* *ベショッ!* 「暇ダナー」 「ナンカ楽シイコト無イカナー」 「ナンカ美味モン無イカナー」 「マスター、暇デ暇デ死ニソウダー」 「ナー、ナー、ナー、ナー、イツマデ歩ケバイインダ?」 「世界ッテノハ、広イヨウデ狭イヨウデ……ドッチダロナー?」 「マスター、ソロソロ休憩シナクテ大丈夫ナノカー?」 「ンアー、ファァ……」 (人形は目をしぱしぱさせている……彼女も眠気を覚えるのだろうか?) 「オイ、マスター。 ベルトノ留メ具ガ外レカカッテルゾー」 「ア! アンナ所ニ小サナメダルガ! ……オーイ、無視スンナヨー……」 人形はぶつくさ言いながらもあなたの後ろについて来ている。 人形は不満そうな顔であなたの後ろに……あ、こけた。 人形は手持無沙汰なのか、得物で器用にジャグリングしている。 どこからか不気味な音が聞こえる……と思ったら人形の欠伸だった。 黙々と歩いていると、視界の端に人形の影がチラチラと映る……。 %txtAggro,JP *ガチャッ!* *スッ* 「ヨロシイ、ナラバ戦争ダ」 (人形はこれ以上無いぐらいのいい笑顔だ) 「サーチ、アーンド、デストローイ!」 「ヒャッハー! 汚物ハ消毒ダー!」 「アレハ敵カ? 敵ダヨナ? 敵ダ!」 (人形は嬉々として武器を構えた) 「マスター、オモチャダ。 ……間違エタ、敵ダ」 「マスター、アレハ殺シテイイ人類ナノカ?」 「今宵ノ『えたにてぃぼぅ』ハ血ニ飢エテオル……」 「戦闘ハ私ニ任セロー!」 人形は素早く臨戦態勢を整えた。 人形は真剣な面持ちで敵との距離を測っている。 人形は無言であなたの袖を引っ張った。 突然人形の表情が変わった、……敵だ。 %txtDead,JP *パラパラ* *カラァン!* 「マー、ソレナリニ良イ人形生ダッタゼ」 「サヨナラ」 「……ジャーナ、マスター」 「マス……―――」 (人形が初めて呼んだ名前は、あなたに届くことなく戦場の地面に染み込んだ) あなたは微かに『アリガトウ』という声を聞いたような気がした。 人形は もう動かない。 小さな破壊音の後、周囲は静寂に包まれた。 %txtKilled,JP *ジャキン* *チャッ* 「コノ私ニ刃ヲ向ケルノガ間違イナノダー!」 「コノ勝利モ、我ガ天命ノ内ヨ! ……トコロデマスター、『天命』ッテ何ダ?」 「命トハ投ゲ捨テルモノ、ラシイゼ?」 「ミッションコンプリート、ダナ」 「イヤー、楽シカッタ楽シカッタ」 「私ガイル限リ、マスターニハ近寄ラセナイゼ!」 (そう言うと人形は武器を構え直した。 ……どうやら決めポーズらしい) 「マスター、服ガ汚レタ」 人形はドヤ顔を浮かべながらあなたを見ている、血まみれで。 人形は敵を倒すと足早にあなたの方へ駆け寄ってきた。 ……褒めてもらいたいのだろうか? 人形は簡単に武器の点検を行った。 %txtWelcome,JP *カタカタ* *ガタンッ!* 「ヨーマスター、オカエリ」 「マスター暇ダー。 ジャナクテ、オカエリナサーイ」 「オー無事カ、クタバッタカト思ッテタゼ」 「マスター、オフロニスル? ゴハンニスル? ……ソレトモ、ワ・タ・シ・ト・決闘?」 「マスター、次ハ私モ連レテケー」 「ナー、マスター。 私ガイナイ旅ハ楽シカッタカ? ン?」 あなたが『ただいま』と言うと、奥の方から人形の不機嫌な声が聞こえた。 あなたが家の扉をそっと開けると、部屋の隅で体育座りになっていじけている人形の姿があった。 人形は戻ってきたあなたの姿を見ると、急いで読んでいた本を隠した。 あなたは部屋が以前よりも綺麗になっていることに気付いた。 %txtDialog,JP 「ドーシタ、マスター? 寂シイノカ?」 「ソーイエバ、兎ッテ寂シイト死ヌラシイナ。 人間モソーナノカー?」 「オーイ、マスター、外デハ前見テ歩ケ。 話ハチャント聞イテヤルカラ。 怪我スルゾー?」 「マスター、敵、連レテ来ル。 私、敵、殺ス。 OK?」 「アー、世界ガ戦争デ満チテタラナー……」 「私ノ仕事ハ戦ウコトダカラナー。 コウ平和ダト…………フワァァ……」 「人形ニモ味覚ハアルゾー。 ……ダカラ、『焼ケ焦ゲタゾンビノ肉』ナンテ食ワセタラ、即座ニ三枚ニオロシテヤルカラナ」 「人形モ、タマニハ、オ寝ンネシチマウノカ? カ。 ……サー、ドーダロナー」 「……イキナリ振リ向クナ、殺スゾ」(耳まで紅潮させた{npc}の手には本が握られている。 タイトルは指で隠れて『人形と人の――』までしか見えない) 「前ノマスタート今ノマスター、ドッチガ良イノカ、ッテ? ソーダナ、今ノマスターノ方ガ退屈シナイカラ良イマスターダ。 ドーダ、嬉シイカ?」 「マスターハ、コレカラ後ドレクライ、悩ンデ生キルノカナー」 「ンー? 人形ニモ悩ミハアルノカ、ッテ? アルゾー。 マスターガ死ンダラドウシヨ……ドウヤッテ飯食オウ、トカナー」 (あなたが声をかけても本に夢中な{npc}は気付く様子がない。 ……どうやら本のタイトルは『おにんぎょうのロンド』というらしい) ({npc}は中空を眺めてボーっとしている。 ……いつもこんな感じで静かならなあ。 と、あなたは心の中で呟いた) ({npc}は武器の手入れをしている) 「……マスター……」(あなたは声を聞いて振り向いたが、{npc}は黙ったままだ。 どうやら自分でも声が出たことに気付いていないらしい) %endTxt