どらごにっく★あわー!   〜竜を退治するだけの簡単なお仕事です〜 ●初期情報 No.Z001800   担当:こしみずアカリ ―――――――――――――――――――――――  【ぼく】がグリーンオールウェイズを知ったのは中学生の頃。テレビで某コメディアンが身振りたっぷりに広報活動をする姿、それがとても印象的だったことを今でも覚えている。 「うそ…… ジョージ・スチュワートじゃん!!」  そのコメディアンはジョージ・スチュワート[−・−]といって、【ぼく】達の間では大スターだった。彼がホストを務める『ザ・ウィークリー・ショー』は、一週間のニュースをユーモアたっぷりに解説する番組で、クオリティも高かった。  きっとそれは、ちょっとカッコよく世の中を知りたいガキンチョの気持ちに、ピッタリだったんだと思う。  彼の宣伝は洗脳効果もそこそこあった。少なくとも【ぼく】達は熱狂した。その時は。  でも、世の中そううまくは行かない。  結局【ぼく】も、進学だとか何だとかで悩みが増えて、「ドラゴン? ユニオン? ……やりたい人に任せたら?」と考えるようになった。グッバイ・ジョージ!  とはいえグリーンオールウェイズのサイトは、それからもたまには見ていたけれど。      ◇ About Us! ◇  【ぼく】の記憶が確かならば、グリーンオールウェイズのサイトは初めの頃、とても牧歌的で平和的で、何よりハートフルだったと思う。  青空と草原を背景に、スタッフとおぼしき人達の笑顔。人とドラゴンとを含めた“環境”そのものを良くしようというコンセプトが、ありありと伝わってくるようだった。  決してドラゴンを排除するわけではない、そんなリベラルな雰囲気だ。  ユニオンの代表からしてそうだった。名前は――、ポーリー・オークレイ[−・−]とか言ったんじゃないかな……。  たぶんこの人もシスターさんだったと思う。ドラゴンとの共存共栄を望み、ギャラリーにはドラゴンと戯れる写真もあった。  きっと普通ならありえない行動だったと思う。世界の各都市ではドラゴンに悪逆の限りを尽くされているというのに、愛ずるなんて。分別のあるオトナなら「どうかしている」と首を振っただろう。  そしてあろうことか、そんなオトナ達の溜飲を下げる出来事が、彼女達の身に起きてしまった。ドラゴン達に手酷く裏切られてしまったのだ。  代表はドラゴンに殺害され、しばらくの間はサイトの更新もなかった。そりゃそうだ。それどころじゃなかっただろう。  当然ながら、【ぼく】とグリーンオールウェイズも疎遠になった。  それからしばらくして――、  ある日のこと、久方ぶりにサイトを覗いて【ぼく】は素直にこう思った。 (……有害サイトに飛ばされた?!)  そこには青空も草原も見る影無く、踊るのはパンクでファンキーな字体の“Let’s Sweep!!”。眺めること数分、【ぼく】はようやく、これがあのグリーンオールウェイズなのだとおぼろげながら理解した。  ページ内を検索してみる。“友好”に類する言葉は見つからなかった。どうやら彼らは、ドラゴンを完全に敵として認識したらしい。ユニオン内部で何が起こったのかは知る由もない。  代表もシスター・W[−・ダブリュー]という女性に代わっていた。ニッコリと微笑んだその姿は、美しさよりも、優しさよりも、色っぽさが勝る。  そして、外の人間として、【ぼく】はひとつの結論に達した。  グリーンオールウェイズは、変わった。  もう前代表の時代ではないのだ。  余談だが、この新代表はプロフィールに、なぜか乳下まで含めたバストショット画像を載せていた。サイトに写真を載せるのは良い。でもどうして乳を強調する? そもそもこういうのは顔が判れば充分じゃないのか? シスター服を着てるとはいえ、その下はどうなっていることやら……。(*1)  彼女を見てエヴァンジェリカル(*2)の人達はどう思うのだろう? 聖職按手(*3)なんて見たこともないんじゃないか? そんな疑問が【ぼく】の頭を高速スクロールした。     ◇ Contact Us! ◇  グリーンオールウェイズの情報はウェブでしか手に入らないわけじゃない。ドラッグストアにパンフレットが置いてあるのを【ぼく】も見たことがある。  どこのユニオンもそうだと思うけど、お金と人がいなければ回らない。少しでも外からコンタクトできるようにすることは死活問題だ。  本部に直接行かなくとも支部を利用すれば所属できる。流石だよね。ニーズは少しでもすくい上げられるようにしないと。  なんてことを外野から感心していた【ぼく】だったけど……、あぁやっぱり世の中そううまくは行かないのか! いつの間にか進学の望みが途絶えてしまった。親は「進学? 何それ?」という顔をしているし、奨学金だって絶望的に思えた。  そんな中、今更ながら【ぼく】は気付いた。気付いた自分がとても頼もしく思えたぐらいだ。そう、【ぼく】にはグリーンオールウェイズがあるじゃないか。  グリーンオールウェイズに入れば、【ぼく】の人生にも活路が開けるかもしれないじゃないか!    ◇ Get Involved! ◇  こうして【ぼく】はグリーンオールウェイズに所属した。その際の手続きについては、あまり面白くないので詳しくは記さない(*4)。  そういえば、あのジョージとは未だに顔を合わせたことも無い。もしかしたら、これから【ぼく】が頑張ろうとする世界と、難しい言い方をすれば“カテゴリ”が違うのかもしれない。 ※註 (*1)単に新代表の趣味です。 (*2)キリスト教プロテスタントの原理主義者。福音派とも。聖書に書かれたことを真実とみなす。本作ではあまり重要ではない。 (*3)聖職者としての権能を授ける儀式。本作ではあまり重要ではない。 (*4)前作でそのような所属手続き云々の描写を飽くほど書いてしまったことが、もしかしたら関係しているかもしれない。 ――――――――――――――――――――――― 「マスターより」  みなさまこんにちは、マスターのこしみずアカリと申します。  こちらはグリーンオールウェイズを紹介する初期情報です。もう1本、同様のものが出ております。  あくまでも紹介です。  それでもどうしてもアクションをかけたい人は下記で。 ■関連行動選択肢 X018804 グリーンオールウェイズのベオウルフとして行動する (担当:???/地域:???) 備考:主に、ユニオンの構成員に対してアクションをかけたい場合に選択する行動選択肢です。地域名はアクションに応じて記入ください。  既存のシナリオや、すでにある行動選択肢などの枠にとらわれないアクションに挑戦したい、上級者向けの行動選択肢です。  すでに存在する行動選択肢で事足りる内容と判断されるアクションだった場合は、不採用になる場合がありますので、ご注意ください。  アクションが不採用となった場合は、不採用アクション用のリアクションが送付されます。 X019900 その他の自由行動 (担当:???/地域:???) 備考:既存のシナリオや行動選択肢などの枠にとらわれないアクションに挑戦したい、超上級者向けの行動選択肢です。自分の意志で世界を、物語を作っていきたいというコアでディープなプレイヤーにお薦めです。  ただしアクションが採用されなかった場合は一切描写されず、不採用アクション用のリアクションが送付されます。  すでに存在する行動選択肢で事足りる内容と判断されるアクションをこの行動選択肢に送った場合は、それだけで不採用になります。  また必ず行動する地域番号を記入ください。行動する地域によって、採用率は変わります。 ――――――――――――――――――――――― ここに掲載されている行動選択肢は、『どらごにっく★あわー! 〜竜を退治するだけの簡単なお仕事です〜』の公式サイト(本サイト)に掲載されない場合があります。 ――――――――――――――――――――――― 個人としてゲームを楽しむための交流の範囲を越えない場合に限り、この「初期情報」の複製、サイトへの転載を許可します。著作権等の扱いについては、本サイトを参照ください。 copyright 2009-2010 ELSEWARE, Ltd. ―――――――――――――――――――――――