―忍びの里 孤狼門 退魔 ヒナタとカガミは、いつもそんな風なのか? カ そんな風・・・とは? 退魔 他愛もない会話ばかりで、身のある話がこれっぽっちもない。 カ なに言ってるんですか、それが楽しいんですよ! 退魔 楽しい? カ そうです!我々あやかしだって、人間と同じように笑って泣いて驚いて悲しんで・・・ そんな風にしていいんですよ! ね、あるじ! 退魔 ヒナタ・・・。 もう、我々のよく知る世界は、残されていないのだな・・・。 カ ゆく河の流れは絶えずして・・・という奴です。 退魔 すいぶんと、生きやすくなったものだな・・・世界は。 カ ええ、だいぶ。 退魔 (私が欲しかったのは・・・自由か。忍び失格だ・・・。だが――) ―忍びの里 本殿 柳生 退魔が、寝返ったか。 よほどお前の汚名を濯ぎたいのであろうな。 半蔵 ・・・・・ 退魔 良い部下とは言わぬ。せめて、お前の手で葬れ。 半蔵 はっ・・・。