―忍びの里 隠し通路 退魔 なんと無様な・・・。 半蔵 敵はどうか? 退魔 半蔵様!? 半蔵 敵はどうかと聞いている。 退魔 はっ!大方の陰陽師は取るに足らないものばかりでした。ですが―― 半蔵 異な者がいると? 退魔 はっ。その陰陽師は人間離れした霊力を持っています。 その者の式神はあやかしの風上におけぬ者でしたが・・・。 半蔵 私見はいらぬ、他には? 退魔 そういえばもう一人、歩き巫女のような者がそばに。 半蔵 歩き巫女だと?武田の縁者が陰陽院についたのか、厄介な。 ・・・良い。今は情報が欲しい、まだその陰陽師は殺すな。 退魔 御意。では、これにて。 半蔵 ・・・ ―忍びの里 退魔門 千代 まだ気になさっているのですか? あ・・・すみません。なんだかさっきの忍者のひと言がどうも引っかかって・・・。 千代 同じあやかしとして、生きる世界が異なれば主義主張に違いがあるのは必定です。 カガミさんは、ご自分の主義主張を貫けばいい。 カ ・・・ 千代 あなたの主は、それを認めてくださっている方でしょう? ねえ、ヒナタ殿? カ あるじ・・・。